橡の夜の中で

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【EOSM2 EF-M18-55/3.5-5.6 IS】

 

すっと、僕の耳から音が消えた。

 

iPhoneが表示しているのは、吉野朔実さんの訃報。

四十を過ぎると身辺の訃報にはある程度慣れくるものだけど、

この訃報をどう理解していいのか分からなかった。

自分を構成する要素の中で「吉野朔実」という作家はあまりに大きく、どう処理していいの分からない。

 

高校生から20代前半にかけて、特に愛読していたのが吉野朔実さんの作品たち。

印象的な言葉と会話

静寂が満ちた夜

少し屈折した恋愛観

生と死

とにかく、吉野さんの描く静かで美しい世界に夢中だった。

間違いなく、僕という人間が一番影響を受けたのは彼女の作品たちだ。

 

死を受け止めきれないでいるけれど、

吉野朔実さんには感謝しかない。

たくさんの素敵な作品をありがとうございます。

どうか、安らかに。

 

 

 

*

残業で遅くなった妻を迎えに行くと

「大丈夫?吉野さんのこと…」

ネットニュースを見たのだろう。妻が心配そうに声をかけてくれた。

「うん、動揺しているよ」

そう口にした声が震えていた。

 

写真の「瞳子」は、中身も大好きだけど装丁も震えるほど素晴らしい。

この記事へのコメント

  • 水円 岳

    本当に寂しいです。吉野さんの作品を読みたいがためにずっとぶーけを
    買ってましたから。『月下の一群』『いたいけな瞳』『ジュリエットの卵』……。
    もう、ああいう作品を描ける人は出て来ないかと。

    ご冥福をお祈りいたします。
    2016年05月02日 23:22
  • ねこじたん

    ご冥福をお祈りいたします
    本 ちょっとさがしてみる
    2016年05月03日 06:08
  • ikuko

    まだまだお若いですよね・・
    この頃は訃報がほんとに多い。。
    寂しいですね。。。
    2016年05月03日 16:34
  • maki

    >水円岳さん
    僕も吉野さんの作品を読みたいがためにぶーけを買っていましたね(笑)
    「いたいけな瞳」「恋愛的瞬間」は、手の届く場所に置いていました。
    何度読んでも色褪せない世界ですよね。
    2016年05月03日 22:09
  • maki

    >ねこじたんちゃん
    読むなら「瞳子」オススメよー
    2016年05月03日 22:13
  • maki

    >ikukoさん
    本当に若い方の訃報が多いですよね。
    病気には気をつけたいですね。
    2016年05月03日 22:17