
【EOSM2 EF-M18-55/3.5-5.6 IS】
すっと、僕の耳から音が消えた。
iPhoneが表示しているのは、吉野朔実さんの訃報。
四十を過ぎると身辺の訃報にはある程度慣れくるものだけど、
この訃報をどう理解していいのか分からなかった。
自分を構成する要素の中で「吉野朔実」という作家はあまりに大きく、どう処理していいの分からない。
高校生から20代前半にかけて、特に愛読していたのが吉野朔実さんの作品たち。
印象的な言葉と会話
静寂が満ちた夜
少し屈折した恋愛観
生と死
とにかく、吉野さんの描く静かで美しい世界に夢中だった。
間違いなく、僕という人間が一番影響を受けたのは彼女の作品たちだ。
死を受け止めきれないでいるけれど、
吉野朔実さんには感謝しかない。
たくさんの素敵な作品をありがとうございます。
どうか、安らかに。
*
残業で遅くなった妻を迎えに行くと
「大丈夫?吉野さんのこと…」
ネットニュースを見たのだろう。妻が心配そうに声をかけてくれた。
「うん、動揺しているよ」
そう口にした声が震えていた。
写真の「瞳子」は、中身も大好きだけど装丁も震えるほど素晴らしい。











